10 相続税の対象となる財産と評価の方法
(3)財産の評価
相続税の対象となる相続財産は、それぞれの評価単位ごとに時価によって評価することとされています。 時価とは、判例では客観的交換価格と解されています。 相続税上の評価は、相続税法、財産評価基本通達、相続税財産評価関係個別通達に規定されています。
(イ)土地等
(a)土地
土地は、宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地の地目別に、利用状況に応じて評価します。
評価は、路線価方式、固定資産税評価額倍率方式、宅地比準方式等によって行います。 路線価方式とは、「宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線 (不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう。 以下同じ。) ごとに設定」 された路線価に一定の補正を加えた価額に、地積を乗じて評価する方法です。 また、固定資産税評価額倍率方式とは、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価する方法をいいます。 さらに、宅地比準方式は、その農地等を宅地とした場合の1当たりの価額から、宅地に転用する場合に必要となる造成費相当額を控除した価額に地積を乗じて評価するものです。
なお、相続の開始直前に被相続人の事業の用もしくは居住の用に供されていた宅地等、又は国の事業の用に供されていた宅地等で、一定の要件に該当するもの (小規模宅地等) については、200㎡又は400㎡までの部分の評価額を一定の割合で減額することができます。
地目ごとの評価方法をまとめますと、次の表のようになります。
評価は、路線価方式、固定資産税評価額倍率方式、宅地比準方式等によって行います。 路線価方式とは、「宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線 (不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう。 以下同じ。) ごとに設定」 された路線価に一定の補正を加えた価額に、地積を乗じて評価する方法です。 また、固定資産税評価額倍率方式とは、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価する方法をいいます。 さらに、宅地比準方式は、その農地等を宅地とした場合の1当たりの価額から、宅地に転用する場合に必要となる造成費相当額を控除した価額に地積を乗じて評価するものです。
なお、相続の開始直前に被相続人の事業の用もしくは居住の用に供されていた宅地等、又は国の事業の用に供されていた宅地等で、一定の要件に該当するもの (小規模宅地等) については、200㎡又は400㎡までの部分の評価額を一定の割合で減額することができます。
地目ごとの評価方法をまとめますと、次の表のようになります。
(b)土地の上に存する権利
土地の上に存する権利は、地上権、区分地上権、永小作権、区分地上権に準ずる地役権、借地権、定期借地権等、耕作権、温泉権、賃借権、占用権の権利の別に、利用状況に応じて評価します。
これらの評価は、その権利の目的となっている土地の更地価額に、それぞれの権利割合を乗じて算出した価額によって行います。 また、これらの権利は小規模宅地の評価減の適用を受けることもできますので、要件に該当するものについては、一定の割合で減額して評価します。
これらの評価は、その権利の目的となっている土地の更地価額に、それぞれの権利割合を乗じて算出した価額によって行います。 また、これらの権利は小規模宅地の評価減の適用を受けることもできますので、要件に該当するものについては、一定の割合で減額して評価します。
(ロ)家屋
家屋は、原則として一棟の家屋ごとに、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じる倍率方式によって評価します。 この一定の倍率は1.0とされており、固定資産税評価額そのままの金額ということになります。 また貸家については、倍率方式による評価額から、借家権の価額を控除して評価します。
それぞれの評価をまとめると次のようになります。
それぞれの評価をまとめると次のようになります。
(ハ)上場株式
上場株式は、証券取引所の公表する課税時期の最終価格と、課税時期の属する月以前3ケ月間の最終価格の各月の平均額のうち、最も低い価額によって評価します。
課税時期の最終価格=102円(100円又は102円のうち課税時期に最も近い日の最終価格を採用します。)
課税時期の最終価格=100円(75円は新株権利落等の後の最終価格なので採用しません。)
| (a) | 課税時期に取引がないため最終価格がない場合は、課税時期に最も近い日の最終価格を課税時期の最終価格とします。 |
| (b) | 課税時期が新株権利落又は配当落の日から新株式の割当、新株式の無償交付又は配当金交付の基準日までの間にあるときは、新株権利落又は配当落の日の前日以前の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格を課税時期の最終価格とします。 |
| (c) | 2以上の証券取引所に上場されている場合は、その株式の発行会社の本店所在地の最寄りの証券取引所の最終価格によることとなっていますが、納税地の最寄りの証券取引所の最終価格によっても差し支えないものとされています。 |
課税時期の最終価格=102円(100円又は102円のうち課税時期に最も近い日の最終価格を採用します。)
課税時期の最終価格=100円(75円は新株権利落等の後の最終価格なので採用しません。)
(ニ)非上場株式
(a)原則的評価方式と配当還元方式
非上場株式の株価評価方法は、原則的評価方式と、配当還元方式の2つの方法があります。 このうちいずれの方法によるかは、株式を相続又は贈与により取得した者のその取得後の議決権割合などに応じて決まります。 その取得後の議決権割合と評価方法の関係は次のとおりとなります。
| (注1) |
「同族株主」 とは、株主の1人及びその同族関係者の議決権割合の合計が50%超となる場合におけるその株主グループ (50%超のグループがない場合は30%以上の株主グループ) をいいます。
なお、「同族関係者」 とは、法人税法施行令4条 (同族関係者の範囲) に規定する者をいい、親族 (配偶者、6親等内の血族又は3親等内の姻族) や関係法人 (その株主等の持株割合が50%超の法人) 等がこれに含まれます。 |
| (注2) |
「中心的な同族株主」 とは、同族株主の1人及びその配偶者、直系血族、
兄弟姉妹、1親等の姻族 (これらの者の関係法人を含みます) の、議決権割合の合計が25%以上となる場合におけるその株主をいいます。 |
| (注3) | 「中心的な株主」 とは、株主の1人及びその同族関係者の議決権割合の合計が15%以上である株主グループのうち、いずれかのグループに単独で10%以上の議決権を有している株主がいる場合におけるその株主をいいます。 |
(b)原則的評価方式のうちの適用される評価方式の判定
株式取得後の持株割合に応じた評価方法が原則的評価方法となった場合には、まず次のフローチャートにより、適用される評価方式を決定します。
1) 清算中の会社に該当するかどうかの判定
1) 清算中の会社に該当するかどうかの判定
課税時期において、清算手続に入っている会社が該当します。
2) 開業前又は休業中の会社に該当するかどうかの判定
開業前の会社
その会社が目的とする事業活動を開始する前の場合が該当します。
休業中の会社
課税時期において相当長期間にわたって休業中である会社が該当します。
3) 開業後3年未満の会社等に該当するかどうかの判定
その会社が目的とする事業活動を開始する前の場合が該当します。
休業中の会社
課税時期において相当長期間にわたって休業中である会社が該当します。
開業後3年未満の会社等には、
イ. 開業後3年未満の会社
ロ. 類似業種比準要素のうち3要素ゼロの会社
の2つがあります。
イ. 開業後3年未満の会社
開業後3年未満の会社の場合には、その会社が大会社、中会社、小会社のいずれであろうとも、すべて純資産価額で評価しなければなりません。
設立後3年未満ではなく、開業後3年未満ということになっていますので、設立は古くても、会社の本来の売上げがほとんどなく、預金や有価証券の運用益だけの会社などは税務当局から開業していない状態だと判定される可能性があります。
ロ. 類似業種比準要素のうち3要素ゼロの会社
類似業種比準価額算出の3つの要素である、評価会社の1株当たりの配当金額、1株当たりの年利益金額、1株当たりの簿価純資産価額のいずれもゼロの場合、類似業種比準価額は使うことができず、純資産価額で評価することになります。
なお、上記比準要素のうち配当については、2期間の平均値を取ることになっていますので、前期、前々期の配当がゼロであっても前々々期の配当があれば、結局2期間の配当はプラスになります。 従って、過去3期間の配当がいずれもゼロの場合に1株当たりの配当要素ゼロとなります。 同じように、1株当たりの年利益金額も、原則は直前期末の利益によることになっていますが、直前期末と直前々期末の2年間の平均額を取ってもよいことになっていますので、直前々期末の利益がゼロの場合、そのもう一年前の期に利益があれば、平均額を出してプラスとすることができます。 したがって、過去3期間とも利益が赤字の場合にゼロとなるということになります。
4) 土地保有特定会社に該当するかどうかの判定
イ. 開業後3年未満の会社
ロ. 類似業種比準要素のうち3要素ゼロの会社
の2つがあります。
イ. 開業後3年未満の会社
開業後3年未満の会社の場合には、その会社が大会社、中会社、小会社のいずれであろうとも、すべて純資産価額で評価しなければなりません。
設立後3年未満ではなく、開業後3年未満ということになっていますので、設立は古くても、会社の本来の売上げがほとんどなく、預金や有価証券の運用益だけの会社などは税務当局から開業していない状態だと判定される可能性があります。
ロ. 類似業種比準要素のうち3要素ゼロの会社
類似業種比準価額算出の3つの要素である、評価会社の1株当たりの配当金額、1株当たりの年利益金額、1株当たりの簿価純資産価額のいずれもゼロの場合、類似業種比準価額は使うことができず、純資産価額で評価することになります。
なお、上記比準要素のうち配当については、2期間の平均値を取ることになっていますので、前期、前々期の配当がゼロであっても前々々期の配当があれば、結局2期間の配当はプラスになります。 従って、過去3期間の配当がいずれもゼロの場合に1株当たりの配当要素ゼロとなります。 同じように、1株当たりの年利益金額も、原則は直前期末の利益によることになっていますが、直前期末と直前々期末の2年間の平均額を取ってもよいことになっていますので、直前々期末の利益がゼロの場合、そのもう一年前の期に利益があれば、平均額を出してプラスとすることができます。 したがって、過去3期間とも利益が赤字の場合にゼロとなるということになります。
土地保有特定会社に該当するかどうかの判定は次の表のとおりです。
この判定にあたっての留意事項は次のとおりです。
5) 株式保有特定会社に該当するかどうかの判定
この判定にあたっての留意事項は次のとおりです。
| イ. | 大会社、中会社、小会社の判定は(c)2)を参照して下さい。 |
| ロ. | 分母・分子の金額は相続税評価額によります。 |
| ハ. | 課税時期前において合理的理由もなく評価会社の資産構成に変動があり、その変動が土地保有特定会社と判定されることを免れるためのものと認められるときには、その変動がなかったものとして上記の判定をします。 |
| ニ. | 土地等の保有割合を判定する場合における 「総資産価額 (相続税評価額による)」 及び分子の 「土地等の価額 (相続税評価額による)」 の計算に当たって、3年以内取得不動産は、購入金額から減価償却費相当分を差引いた金額で評価します。 株式の1株当たりの純資産価額の計算に当たっての 「法人税額等相当額の控除の不適用」 が適用されます。 |
| ホ. | 保有する取引相場のない株式の1株当たりの純資産価額の計算に当たっては、「法人税額等相当額の控除の不適用」 が適用されます。 |
株式保有特定会社に該当するかどうかの判定及び評価方法は以下のとおりです。
1)株式保有特定会社に該当するかどうかの判定
1)株式保有特定会社に該当するかどうかの判定
| イ. |
株式保有特定会社に該当するかどうかの判定は次の表のとおりです。
この判定に当たっての留意事項は次のとおりです。 |
| ロ. | 大会社、中会社、小会社の判定は後述(c)2)を参照して下さい。 |
| ハ. | 分母・分子の金額は相続税評価額によります。 |
| ニ. | 課税時期前において合理的な理由もなく評価会社の資産構成に変動があり、その変動が株式保有特定会社と判定されることを免れるためのものと認められるときは、その変動がなかったものとして上記の判定をします。 |
| ホ. | 株式等の保有割合を判定する場合における 「総資産価額 (相続税評価額によって計算した金額)」 の計算に当たって、3年以内取得不動産は、購入金額から減価償却費相当分を差引いた金額で評価します。 |
| ヘ. | 株式等の保有割合を判定する場合における 「株式等の価額の合計額 (相続税価額によって計算した金額)」 については、その株式等の発行会社を評価会社とみなして会社の規模等に応じて財産評価基本通達に従って評価した金額によりますから、その株式の評価上の区分、発行会社の規模等及び特定の評価会社に該当するかどうかにより、その評価方法が違ってきます。 |
(c)原則的評価方式
(b)による会社の判定で、原則的評価方式と判定されますと、次にその評価する会社の規模を判定いたします。 その会社の規模に応じて原則的評価方法は①類似業種比準方式、②純資産価額方式、③①と②併用方式の3つの評価方式に分類されます。 会社の規模とこれら3つの評価方式の関係は、会社の規模により、次の表のとおりです。
1) 会社の規模による評価方法
2) 会社の規模の判定と、中会社のLの判定
2) 会社の規模の判定と、中会社のLの判定
◯会社の規模の判定とLの数値の表
3) 純資産価額の評価方式
- 従業員数が100人以上の会社は、大会社となります。
- 従業員数が100人未満の会社は、それぞれ次によります。
| イ. |
卸売業の場合、取引金額、総資産価額、従業員数で判定しますが、該当するもののいずれか上位で判定します。
|
| ロ. |
卸業以外の業種の場合
|
純資産価額の計算は以下のとおりとなっています。
4) 類似業種比準価額の評価方式
| (注1) | 同族株主等の持株割合が50%未満の場合には、この価額の80%を評価額とします |
| (注2) |
課税時期現在で仮決算して求めるのが原則です。
繰延資産など財産性のないものは除きます。 |
| (注3) |
加えるもの
|
イ. 類似業種比準価額の計算について
類似業種比準価額は、事業内容が類似する複数の上場会社からなる類似業種の平均株価に比準して計算した金額であり、具体的な計算方法は次によります。
上記試算中(C)の金額が0の場合は、分母の5は3として計算します。
[符号の説明]
なお、この場合に評価会社の1株当たりの資本金の額(直前期末の資本金額を直前期末の発行済株式数で除した額)が50円以外の金額であるときには、上記算式により計算した価額を次のように修正することとなります。
ロ. 1株当たりの配当金額
上記試算中(C)の金額が0の場合は、分母の5は3として計算します。
[符号の説明]
| A・・・・ | 課税時期の属する月以前3ヶ月間の各月の類似業種の平均株価及び前年1年間の同平均株価のうち最も低いもの |
| B・・・・ | 課税時期の属する年分の類似業種の1株当たりの配当金額 |
| C・・・・ | 課税時期の属する年分の類似業種の1株当たりの年利益金額 |
| D・・・・ | 課税時期の属する年分の類似業種の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額) |
| (B)・・・ | 評価会社の直前期末における1株当たりの配当金額 |
| (C)・・・ | 評価会社の直前期末1年間(又は2年間の年平均)における1株当たりの年利益金額 |
| (D)・・・ | 評価会社の直前期末における1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額) |
なお、この場合に評価会社の1株当たりの資本金の額(直前期末の資本金額を直前期末の発行済株式数で除した額)が50円以外の金額であるときには、上記算式により計算した価額を次のように修正することとなります。
評価会社の1株当たりの配当金額の計算は以下のとおりです。
直前期末以前2年間のその会社の利益の配当金額(特別配当、記念配当等の名称による配当で、将来毎期継続することが予想できない金額を除きます。)の合計額の2分の1に相当する金額を、直前期末における50円換算発行済株式数(直前期末の資本金額を50円で除して計算した数をいいます。以下(C)、(D)において同じ。)で除して計算した金額とします。
ただし、株式の券面額×発行株式数=資本金額となる会社(直前期末以前2 年間に増(減)資が行われている会社は除きます。)については次の算式によります。
ハ. 1株当たりの年利益金額
直前期末以前2年間のその会社の利益の配当金額(特別配当、記念配当等の名称による配当で、将来毎期継続することが予想できない金額を除きます。)の合計額の2分の1に相当する金額を、直前期末における50円換算発行済株式数(直前期末の資本金額を50円で除して計算した数をいいます。以下(C)、(D)において同じ。)で除して計算した金額とします。
ただし、株式の券面額×発行株式数=資本金額となる会社(直前期末以前2 年間に増(減)資が行われている会社は除きます。)については次の算式によります。
評価会社の1株当たりの利益金額の計算は以下のとおりです。
法人税の課税所得金額(固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額を除きます。)に、その所得の計算上益金に算入されなかった利益の配当等の金額(法人税額から控除された配当等の源泉所得税額に相当する金額を除きます。)及び損金に算入された繰越欠損金の控除額を加算した金額を、直前期末における50円換算発行済株式数で除して計算した金額とします(その金額が欠損のときは、0とします。)この金額は直前期末以前1年間について求めた金額と直前期末以前2年間について求めた金額の2分の1相当額とのうちいずれか納税者の選択した金額によります。
ニ. 1株当たりの純資産価額
法人税の課税所得金額(固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額を除きます。)に、その所得の計算上益金に算入されなかった利益の配当等の金額(法人税額から控除された配当等の源泉所得税額に相当する金額を除きます。)及び損金に算入された繰越欠損金の控除額を加算した金額を、直前期末における50円換算発行済株式数で除して計算した金額とします(その金額が欠損のときは、0とします。)この金額は直前期末以前1年間について求めた金額と直前期末以前2年間について求めた金額の2分の1相当額とのうちいずれか納税者の選択した金額によります。
評価会社の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)の計算は以下のとおりです。
直前期末の資本金額(払込否認の金額がある場合には、その金額を控除した資本金額)、法人税法2条《定義》17号に規定する資本積立金額及び同条18号に規定する利益積立金額(法人税申告書別表五(一)「利益積立金額の計算に関する明細書」の差引翌期首現在利益積立金額の差引合計額)の合計額を、直前期末における50円換算発行済株式数で除して計算した金額とします。
直前期末の資本金額(払込否認の金額がある場合には、その金額を控除した資本金額)、法人税法2条《定義》17号に規定する資本積立金額及び同条18号に規定する利益積立金額(法人税申告書別表五(一)「利益積立金額の計算に関する明細書」の差引翌期首現在利益積立金額の差引合計額)の合計額を、直前期末における50円換算発行済株式数で除して計算した金額とします。
| (注) | 利益積立金額がマイナスである場合には、資本金額と資本積立金との合計額からそのマイナス金額を控除した金額が純資産価額となりますが、その控除後の金額が、なおマイナスになるときは0とします。 |
(d)配当還元方式
取得後の持株割合に応じた評価方法が配当還元法となった場合には、配当還元価額として評価し、次の<算式>により計算する。
<算式>
この<算式>における年配当金額は次のとおりに計算します。
<算式>
この<算式>における年配当金額は次のとおりに計算します。
| (注1) | 配当金額の計算上、特別配当は除きます。 |
| (注2) | 配当還元価額が(c)の原則的評価方式により計算した金額を超える場合には、原則的評価方式により計算した金額が評価額となります。 |
(e)特別な評価方法
1) 株式保有特定会社に該当する場合の評価方法
純資産価額方式か又は「S1+S2方式」(国税当局では簡易評価方法と呼んでいます。)のいずれかを選択します。
イ. 純資産価額方式・・・(c)3)を参照して下さい。
ロ. 「S1+S2方式」(簡易評価方法)
イ. 純資産価額方式・・・(c)3)を参照して下さい。
ロ. 「S1+S2方式」(簡易評価方法)
株式保有特定会社の評価上、選択的適用が認められる簡易評価方法は以下のとおりです。
評価の概要
簡易評価方法は、株式等とその他の財産に区分して、株式等は株式等だけで評価(S2)し、その他の財産はその他の財産だけで評価(S1)して、両者を合計する方式。
(計算方法)
評価の概要
簡易評価方法は、株式等とその他の財産に区分して、株式等は株式等だけで評価(S2)し、その他の財産はその他の財産だけで評価(S1)して、両者を合計する方式。
(計算方法)
| a. |
S1(株式等及び受取配当金を除いて計算した場合の原則的評価方法による評価額)
あ.評価方法
会社の規模により分類されるそれぞれの原則的評価方法において、株式等と受取配当金だけを除いて原則的評価方法を適用して算出する方法。
い.評価上の留意点
会社の規模により分類されるそれぞれの原則的評価方法において、株式等と受取配当金だけを除いて原則的評価方法を適用して算出する方法。
① S1算出のための類似業種比準価額の算式
(c)4)で説明した類似業種比準価額の算式のうち、(B)(1株当りの配当金額)と(C)(1株当りの利益金額)については、受取配当金収入に相当する部分を差引き、(D)(1株当りの簿価純資産価額)については簿価純資産価額のうち株式等に相当する部分と、利益積立金のうち受取配当金に相当する部分の合計額を差引いたものにより計算します。
② S1算出のための1株当り純資産価額の計算
(b)=(B)×受取配当金収受割合(*) (c)=(C)×受取配当金収受割合
(d)>(D)の時は(d)=(D) (*)受取配当金収受割合
(※1)「課税時期のその他の資産」とは、株式および出資以外の資産をいう。 (※2)
なお、S1算出のための1株当りの純資産価額においては、同族株主等の持株割合が50%未満でも、80%評価を適用しません。 |
| b. |
S2(株式及び出資の相続税評価額)
あ.評価方法
株式等の相続税評価額から評価差額の42%を引いた金額を発行済株式数で除した金額
い.S2の算式
なお、株式等に取引相場のない株式が含まれており、当該株式を純資産価額により評価する場合には、評価差額に対する法人税等相当額を控除しないで計算した純資産価額の金額を「株式等の相続税評価額」とします。 |
(ホ)公社債、転換社債、貸付信託等
(a)公社債
公社債は、銘柄の異なるごとに、1)利付公社債、2)割引発行の公社債、3)元利均等償還が行われる公社債、4)転換社債に区分し、券面額100円当たりの価額に公社債の券面額を100で除した数を乗じて算出した金額によって評価します。
1)利付公社債
1)利付公社債
利付公社債は、発行価額と、課税時期に利払期が到来していない利息のうち、課税時期までの既経過分に相当する金額から源泉徴収されるべき所得税相当額を控除した金額の合計額によって評価します。
2)割引発行の公社債
割引発行の公社債は、発行価額と既経過償還差益の額との合計額によって評価します。
既経過償還差益の額は、次の算式によって算出します。
3)元利均等償還が行われる公社債
既経過償還差益の額は、次の算式によって算出します。
元利均等償還が行われる公社債は、その残存期間に応じ、その残存期間に償還される金額の総額に次の割合を乗じて算出した金額によって評価します。
4)転換社債
| 残存期間が5年以下のもの | 70/100 |
| 残存期間が5年を超え10年以下のもの | 60/100 |
| 残存期間が10年を超え15年以下のもの | 50/100 |
| 残存期間が15年を超え25年以下のもの | 40/100 |
| 残存期間が25年を超え35年以下のもの | 30/100 |
| 残存期間が35年を超えるもの | 20/100 |
転換社債は、原則として利付公社債と同様に評価します。 ただし、転換社債の発行会社の株式の価額が、その転換社債の転換価格を超える場合には、イ.からハ.に掲げる金額によって評価します。
この場合の転換社債の発行会社の株式の価額は、その株式が上場株式である場合には、その株式の1株当たりの価額をいい、その株式が取引相場のない株式である場合には、その株式について非上場株式の評価方法により評価した1株当たりの価額を基として、次の算式によって修正した金額となります。
イ.証券取引所に上場されている転換社債
この場合の転換社債の発行会社の株式の価額は、その株式が上場株式である場合には、その株式の1株当たりの価額をいい、その株式が取引相場のない株式である場合には、その株式について非上場株式の評価方法により評価した1株当たりの価額を基として、次の算式によって修正した金額となります。
| 「N」= | 財産評価基本通達の定めによって評価したその転換社債の発行会社の課税時期における株式1株当たりの価額 |
| 「P」= | その転換社債の転換価格 |
| 「Q」= |
次の算式によって計算した未転換社債のすべてが株式に転換されたものとした場合の増資割合
|
イ.証券取引所に上場されている転換社債
その転換社債の証券取引所の公表する課税時期の最終価格に相当する金額と源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額に相当する金額
ロ.日本証券業協会において店頭気配銘柄として選定された転換社債
その転換社債の課税時期における気配の金額と源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額に相当する金額
ハ.イ.又はロ.に掲げる転換社債以外の転換社債
次の算式によって計算した金額
(b)貸付信託等
貸付信託受益証券は、課税時期にその証券を買い取った場合における次の算式によって算出した金額によって評価します。
また、証券投資信託の受益証券は、日刊新聞等に掲載されている課税時期の基準価額によって評価します。
また、証券投資信託の受益証券は、日刊新聞等に掲載されている課税時期の基準価額によって評価します。
(ヘ)預貯金
預貯金の価額は、預入高と既経過利子の税引後の金額との合計額によって評価します。
既経過利子とは、課税時期現在に解約するとした場合に、既経過利子として支払いを受けることができる金額をいいます。 定期預金、定期及び定額郵便貯金以外の預貯金については、既経過利子が少額なものに限り、既経過利子を加算しなくてもよいこととされています。
既経過利子とは、課税時期現在に解約するとした場合に、既経過利子として支払いを受けることができる金額をいいます。 定期預金、定期及び定額郵便貯金以外の預貯金については、既経過利子が少額なものに限り、既経過利子を加算しなくてもよいこととされています。
(ト)ゴルフ会員権、書画等
ゴルフ会員権は、株主でなければ会員となれないもの、株主で入会金等を支払わなければ会員となれないもの、入会金等を支払わなければ会員となれないもの、の3種に分類することができます。
株主でなければ会員となれないものは、会員権について取引相場があれば通常取引価格の70%相当額、取引相場がなければその会員権に係る株式について上場株式又は非上場株式の相続税法上の評価方法により評価した金額によって評価します。 株主でかつ入会金等を支払わなければ会員となれないものは、株式と入会金等を個々に評価します。 まず、入会金等は課税時期に直ちに返還を受けることができる金額、又は一定期間経過後に返還を受けることができる場合は、課税時期から返還を受けることができる日までの期間に対応する基準年利率による複利現価の額によって評価します。 次に株式は、会員権について取引相場があれば、通常取引価格から上記の入会金等の評価額を控除した金額に0.7を乗じて評価します。 会員権について取引相場がなければ、(ハ)又は(ニ)により評価した金額となります。 入会金等を支払わなければ会員となれないものは、取引相場があれば通常取引価格の70%相当額、取引相場がなければ前述の基準年利率による複利現価の額によって評価します。
書画や骨董品は、売買実測価額、精通者意見価格等を参酌して評価します。
株主でなければ会員となれないものは、会員権について取引相場があれば通常取引価格の70%相当額、取引相場がなければその会員権に係る株式について上場株式又は非上場株式の相続税法上の評価方法により評価した金額によって評価します。 株主でかつ入会金等を支払わなければ会員となれないものは、株式と入会金等を個々に評価します。 まず、入会金等は課税時期に直ちに返還を受けることができる金額、又は一定期間経過後に返還を受けることができる場合は、課税時期から返還を受けることができる日までの期間に対応する基準年利率による複利現価の額によって評価します。 次に株式は、会員権について取引相場があれば、通常取引価格から上記の入会金等の評価額を控除した金額に0.7を乗じて評価します。 会員権について取引相場がなければ、(ハ)又は(ニ)により評価した金額となります。 入会金等を支払わなければ会員となれないものは、取引相場があれば通常取引価格の70%相当額、取引相場がなければ前述の基準年利率による複利現価の額によって評価します。
書画や骨董品は、売買実測価額、精通者意見価格等を参酌して評価します。
(チ)生命保険契約に関する権利
生命保険契約に関する権利とは、被相続人が保険料を負担していた保険契約で、課税時期にいまだ保険事故が発生していないもので、かつ被相続人以外のものがその生命保険契約の契約者であるものをいいます。
その評価は相続開始の時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額につき、源泉徴収されるべき所得税の額がある場合にはその金額を減算した金額)によって評価します。
ただし、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した生命保険契約に関する権利については、「払込保険料の合計額×70%-保険金額×2%」で評価することもできます。
その評価は相続開始の時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額につき、源泉徴収されるべき所得税の額がある場合にはその金額を減算した金額)によって評価します。
ただし、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に相続又は遺贈により取得した生命保険契約に関する権利については、「払込保険料の合計額×70%-保険金額×2%」で評価することもできます。
(リ)定期金に関する権利
定期金給付契約でその契約に関する権利を取得した時において定期金給付事由が発生しているものに係る権利の評価は次に掲げる金額によります。
(a)有期の定期金(年金)の場合
(a)有期の定期金(年金)の場合
その残存期間に応じ、その残存期間に受けるべき給付金額の総額に次の割合を乗じて計算した金額
(b)終身の定期金(年金)の場合
| 残存期間が5年以下のもの | 70/100 |
| 残存期間が5年を超え10年以下のもの | 60/100 |
| 残存期間が10年を超え15年以下のもの | 50/100 |
| 残存期間が15年を超え25年以下のもの | 40/100 |
| 残存期間が25年を超え35年以下のもの | 30/100 |
| 残存期間が35年を超えるもの | 20/100 |
その目的とされた者のその契約に関する権利のその契約に関する権利の取得の時における年齢に応じ、1年間に受けるべき金額に次の倍数を乗じた金額
(c)この「定期金に関する権利」として評価される主なものとして次のものが挙げられます。
| 年齢 | 倍数 |
| 25歳以下の者 | 11倍 |
| 25歳超40歳以下の者 | 8倍 |
| 40歳超50歳以下の者 | 6倍 |
| 50歳超60歳以下の者 | 4倍 |
| 60歳超70歳以下の者 | 2倍 |
| 70歳超の者 | 1倍 |
- ・元利均等公社債
- ・個人年金保険
(ヌ)国外財産
国外にある財産の価額についても、日本国の財産評価基本通達に定める評価方法によって評価することとなります。
なお、財産評価基本通達の定めによって評価することができない財産については、この通達に定める評価方法に準じて、又は売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価します。
国外に本店がある非上場株式についても同様に評価します。
なお、財産評価基本通達の定めによって評価することができない財産については、この通達に定める評価方法に準じて、又は売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価します。
国外に本店がある非上場株式についても同様に評価します。