被相続人の死後、遺体の処分や埋葬方法について、相続人間で意見が対立することがあります。その場合、誰が遺体の処分や埋葬方法を決定できるのかという問題が生じます。
遺体も被相続人の相続財産の一つであると考えるならば、相続財産は相続人間での共有となりますから、共有物の処分ないし管理に関する規定により、相続人の全員の同意ないし、相続分の過半数を有する相続人(ないし相続人グループ)の意見によって決定されることになります。しかし、遺体は、遺産分割の対象とすべきものではないため、相続財産ではなく、祭祀財産に準ずるものとして解釈されています。
そして、祭祀財産は、一般の相続財産と異なり、相続人による共有という承継方法ではなく、「祖先の祭祀を主宰すべき者」への単独承継が規定されています。
「祖先の祭祀を主宰すべき者」の決定は、 第1に、被相続人が指定した者があれば、 その者が祖先の祭祀を主宰すべき者となり、 第2に、 指定がないときは慣習に従い、 第3に、 慣習が不明なときは家庭裁判所が定めることになります。
よって、遺体の処分や埋葬方法はこの祭祀主宰者が決定することになります(最高裁平成元年7月18日判決等)。
(相続紛争の予防と解決マニュアル)
http://free.ac-lib.jp/category9/category1/index1222.html